みなさんが子どもの頃一番リラックスできたのは何をしている時でしたか?一番リラックスできたのはどんな場所だったでしょうか?
このコラムを読んでいただいているみなさんの中には、 仕事で子どものセラピーに関わっていらっしゃる方や、現在子育て真っ最中のお母さん・お父さんもいらっしゃることと思います。そんなみなさんは、子どもがリラックスできる時間や場をどのように作っていらっしゃいますか?
私は、 子どもが自分でキャラクターを考えて、ものづくりや物語づくりを行うワークショップを15年ほどやっています。「楽しい時間は過ぎるのが早い!」、ワークショップに来た子どもの一人が自分の作品に色を塗りながらふとつぶやいた言葉です。当たり前のようですが、子どもは、大人が「きっと楽しいだろう」と思っていても苦痛や重荷に感じていることもあります。作品がうまくできたとき、部屋の中は走らないでと言われていても、思わず机の間を駆け回ったりスキップしてしまう子どももいます。子どもによって意味や程度は違いますが、“楽しい”はリラックスの一つのキーワードではないでしょうか。
子どもたちはキャラクターが大好きです。ヒーローに変身して遊んだり、プリンセスになりきって歌ったりダンスをしたり、家族で行ったテーマパークで買ったお気に入りのぬいぐるみをよごれても離さず持っていたり・・・。
私のワークショップは、子どもたちがキャラクターというテーマで制作を楽しみながら、日頃のストレスを解消したり、小さな達成感を感じたり、夢を描いたり、子どもたちの元気を創造する活動です。また、参加メンバ ーも毎回変わるので、いかに子どもたちがリラックスして元気になって帰るか、ということを模索し続けています。
私はプロのセラピストではありません。 もともとは広告会社でキャラクターやアニメ番組のマーケティング や、子どものリサーチの仕事をしていたのですが、仕事や調査で子どもと関わるうちに、キャラクターの持つポジティブな心理的機能や効果を子どものセラピー的に利用できないかと考えて、研究やワークショップ活動を始め、アートセラピーのことも勉強し始めました。ご縁があって2006年のCATの国際会議のお手伝いをきっかけに、現在はアソシエイト会員の理事としてJCATAの活動にも関わらせていただいております。
JCATAのメンバーには、 海外で勉強し資格を得て実際に臨床の場で実践されているプロのCATのセラピストの方もたくさんいます。 CATの臨床での活用は人の心に関わる重要な仕事ですから、最終的にはもちろんプロとしての知識や経験、倫理意識などが重要ですが、CATに関心を持ち、これから勉強したり、何か自分の活動に生かしたいと考えていらっしゃる方はぜひ、まずJCATAのワークショップなどで、“楽しい!”を感じることから始めてはいかがでしょうか。
キャラワークス・ジャパン代表:西岡直実